天井画修復の企画
円城寺本堂天井絵 復元事業へご寄進のお願い
(募集は終了いたしました)
円城寺本堂は、内、中、外陣とも格子天井になっており、一格子間ごとに、多くは花、ごく少数の鳥、動物の極彩色の絵がはめられています。
先ごろ提婆宮春祭りの日から開催した一般公開には2,000人を超える多数のご参加をいただきました。
しかしながら、この貴重な文化遺産も、廊下などの部分には近年著しい傷みが見えてきました。
円城寺は2015年に開山1300年を迎えます。これを機に当山では本堂天井絵復元をはじめ、経年劣化によって損なわれた仏像等の修復を企図しております。
聖徳太子の時代に日本に伝えられ、長い時代にわたって日本人の心の拠りどころとなってきた仏教はいま、明治の廃仏毀釈に次ぐ危機の時を迎えております。
放置すれば取り返しのつかない状況になる恐れのある、貴重な仏教文化を後の世に伝えるため、皆様のご浄財のご喜捨を仰ぎたいと存じます。
□ 天井絵復元の趣旨
本宮山円城寺は来る平成27 年(西暦2015 年)に開山千三百年の記念すべき年を迎えます。これを記念する行事のーつとして、本堂廻廊の天井に描かれている161 枚の絵の復元を計画いたしました。
この度の天井絵復元奉納の事業は、奈良時代より霊験あらたかなる円城寺ご本尊「千手観世音菩薩」へのご供養という宗教的な意義は勿論のこと、天井絵に出現するこの世のありとあらゆる万物の命の尊さを讃える感情の復興という、社会的意義をも担うものであると信じるものです。また、世界的にも評価の高い江戸期の日本画の復元という、文化的意義の大きさについてはいうまでもありません。
なお、この事業を通じて地域文化の振興や地域の活性化に貢献するものとして、財団法人福武教育文化振興財団より平成21 年度文化活動助成が決定しております。
□ 復元の方法について
数回の現地調査の結果、劣化が激しく修復は難しく復元という結論にいたり、岡山大学の小川尊一教授のグループのご指導とご協力により実現の運びに至りました。復元方法は「写真B 」がこの度の復元対象となる廻廊天井絵の一部で、これを新しい板材に引き写し、色彩が保存されている本堂内の天井絵「写真A ]の色を参考に仕上げていきます。
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写真 A 「本堂内部の天井画」
保存状態がよく今回の修復対象外とします。 -
写真 B 「本堂外部廊下の天井画」
劣化が著しく復元対象とします(総数161枚)。
□ ご寄進のお願い
ただいま円城寺では、この事業に必要なご浄財のご寄進をお願いしております。
当山としましては、一人でも多くの方のご支援を仰ぎ、多数の方々のご参画頂ける事業としてこの天井絵を完成させ、天井絵一枚一枚の新しい命の輝きを以て、今の世の「一隅を照らす」寺院としての役割を果たすことを心底より願っております。
ご寄進は一口五千円とし、参考図のように口数に応じて、各々天井絵にご寄進いただいた方のお名前をお書きいたします。ただしこれを標準とし、ご寄進者が多数の場合は一枚に予定以上のお名前をお書きすることもありますので、予めご了承下さい。
またご寄進いただいた額が、天井絵復元費用を超えた場合は、当山開山千三百年の記念事業等に当てさせていただきます。何とぞよろしくお願い申しあげます。
製作、修復作業
製作は元岡山大学教育学部教授小川尊一先生と特設美術卒業生の皆さんを中心にすすめられました。